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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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C&P&G のバージョンが好い。Krisがとんでもない高音でコーラスする。
伴奏もシンプルで引き締まっていて好感が持てる。リズムも良いし。
19世紀後半の、蒸気船が流行った時期のお話。
捕鯨船が海を渡る話。(Bonny Ship the Diamondとはまた大分違うかな。)
今回歌詞にあまり自信ない。普段に増して。

 ダンディ発の捕鯨船団、乗組員はイギリス人で
 勇敢な捕鯨船そのままに西洋の航路を進んでいく
 2度目の日曜、港を離れてすぐの朝、南西の風にぶつかった
 波は後部甲板と支柱をさらって何もかもが海のなか
 帆布を張るアーサー・ジャクソン船長、フェアウェザー船長は蒸気船を駆る
 豪胆なガイ船長は流れの中に突っ込んだ
 ≪ハスキー≫のマリンズが捕まえようとしてきたけれど
 ≪ポリーナ≫の船員は傷つくことすらしなかった
 神聖なる≪テラ・ノヴァ≫、見まがう事なきあの形
 ≪アークティック≫と≪オーロラ≫は話ばかりして
 ジャックマンの郵便船、海の狂者で知られた小舟
 ダンディからの航路のなかで≪ポリーナ≫を出し抜こうとしてた
 セント・ジョンズのラムは安くて船長の健康に挙げた杯
 それから恋人たちと妻たちに
 こんな旅、他の船には真似できないねと俺は言う
 ダンディからセント・ジョンズまで、あらゆる海を越えたのだから

船の仕組みに詳しくないのでコーラスをどう訳していいかわからない。
quarterdeckが高級士官という意味を持つそうで、そういう意味かとも思ったものの
stanchionの意味が取れなくなるので後部甲板にしました。
タイトルは初め海域なのかと思っていたけれど船の名前ですね。
ダンディ(Dundee)スコットランドの港の名前
アーサー・ジャクソン(Art Jackson):船長の名前
フェアウェザー(Fairweather):捕鯨船Balaenaの船長
マリンズ(Mullins):ハスキー(Husky)の船長
テラ・ノヴァ(Terra Nova)、アークティック(Arctic)、
オーロラ(Aurora)、ハスキー(Husky):船の名前

この頃の蒸気船って帆も張るんですね。
そして捕鯨と言いつつ熊も捕まえていたらしい。
≪テラ・ノヴァ≫は(北極探検で有名な)スコット隊長の船だそうです。
ちなみにこのPolinaはPolyniaという名前でよく知られているそうですが、
1891年に氷山にぶつかって沈んでいます。
このときPolinaのクルーを助けてくれた船がAurora。
沈んだという未来を知っているから、最後の1行が切ない。
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SeanのソロページとToshのページに一週間前に更新。(すみませんでした……。)

なんか、今年(というか去年から)Sean災厄が重なりますね。
喉に始まり、足、かぁ、大丈夫かなぁ……心配だ。
お守りとか効くんだったら健康第一守りとか贈りたいんだけど、どう?
どう、というか、いやもうほんとに、Toshの言う言うとおり、
彼は年をとったということなんだろうか。

ラジオの第3回を聴きながら90年代を聴き返しました。
声が広がる……重なって満ちる。高さはなくても奥行きがある。
そういうのが、とても、とてもうらやましい。
そういえばSeanはbodhranをボウランと発音してる。
Alanはバウロンって言ってる気がするんだけれど。

さて、ラジオの内容。
今回はフォーク攻めです。うきうきしました。
Come and I'll Sing Youに始まりJakey's Gin(Whiskey in the Jar、?)、
3曲目はパイプがどこか懐かしいラブソング。
続きましてはまさかのThe Dublinersによる、Finnegan's Wake!
(この曲大好きなんですよ! カバーしないかなぁ……
 1人ずつ歌い回して最初に戻るとかどうだ!
 それで最後のFinnegan's Wakeは高らかに唱和する。素敵!!)
I'm so in love with this song, so I want them to cover it!!
Each of them sings for several verses, and back to the 1st man.
e.g., Sean→Bob→Murray→Kris→Alan→Sean
Then, the all of them ring together the last "Finnegan's wake."
ライブ版なので前後の拍手が温かい。
5曲目はハーモニーが美しいゴスペルかと思わせて、アレンジ素敵!
(Home For the Restを連想したよ。)
その後、ウェルカムソング(ほかになんと呼べば……)。
次は海の音がする、夕焼けの海の音、その光景の音。
それが段々と「夜」の音に変わる、この変わり様が見事!
それからものやわらかで伸びやかな声が、ほとんど伴奏を必要とせずに歌う。
伴奏は要らないけどコーラスは必須。女声がこういう風に入るのいいなぁ。
すぅっと染み込む斉唱から始まる9曲目は、愉快に騒ぎ出す楽器。
伸びやかで自由を思わせる(ここでの自由は自然とほとんど同義)。
10番目、ですね。最後の曲。Seanのお気に入りのバンドの曲。
彼はBad As I Am、Nothing Out of Nothingを歌った男だと思い起こさせる。
この曲での「自由」は、反発による解放を意味しています。


24日の日記が、ずしんと、重い。日々を過ごしていた、という話。
 ニュースを見て、見なきゃ良かったと思う。
 自分がどこに行くのかわからないけれど止まれないことだけはわかってる。
この2行がとてもSeanぽいと思った。
You only live once.と言える男の言うことだと。
ベースラインが父と娘の会話、父と婿の会話をつなぐ。
ティン・ホイッスルが物悲しくもやわらかい。
ニューファンドランドで最古類の英語歌詞の歌。

チャイルド・バラッドなんだそうです。
Captain Wedderburnもチャイルドバラッドだったなぁと思うと、
どうしてこういうものが「チャイルド」バラッドなんだろうと思う。
会話で成立してるから?(そもそもなにがChild Balladなんだろう。)
かなりかいつまんだ現代語訳で以下歌詞のおさらい。

 調子が悪そうじゃないか、娘よ。どうしたのかね
 どうもしないわ、ただの恋わずらいなの、それも海を進む人にね
 そいつは卿か、爵位は、騎士かね? 裕福で名声はあるんだろうね?
 それともうちの船乗りか? さあ、お父さんに言ってごらん
 卿でも伯爵でも騎士でもなくて、富も名声もない人で、
 そうよ船乗りなの、ジョン・バーバーっていうの
 ジョンか、あいつは下級水兵だぞ、ほんとにジョンなのか?
 だったらあいつをつるし上げねばならん
 一度、二度、三度、父は水兵の名前を呼ぶ
 ジョンは最初に名前を呼んだのに最後にひょっこり躍り出た
 真っ白な服にばら色の肌、エナメルの溶けていない綺麗な歯
 みんなに笑顔で給金を支払って、ジョンの番ではひとつ訊ねる
 もしも俺が女ならお前はベッドに招かれる男だが、と
 うちのジェーンと一緒になってくれるかい、やつの手を取ってくれるかね?
 俺とともに食事を摂り、俺の土地を管理してくれるかね
 ええ、ジェーンと結婚します、彼女の手を取りましょう
 あなたと食事も摂ります、けれど土地に関してはお断りです
 彼女にあなたが金ひとかけをあげるなら、わたしはみっつあげます
 みんながジョンと呼んでくれるから、怒れる海を進むのです

海にとりつかれた人っているんですよねぇ。
陸にどんなに平安があっても、荒れ狂う海を愛する。
I plough the ragin sea.
plough(plow)は「(苦労して)進む」。
身分の低い人との結婚が奨励されないのは当時の当然ですね。
そんなわけでつるし上げ(hang)が待っているわけですが。

Seanは、切実にJohnの気持ちがわかるんだろうなぁと思う。
だからこれが歌えるんだろう。
女と平安を同じ秤皿に置いて、もう片方に海を置く。
それでも、海の方が重たいのです。
Happy Birthday, the bassist!

今年はフットボールの世界大会があるので
誕生日がますます楽しいことでしょうね。

まずなによりSafe Upon the Shore、素敵でした。
いつかトラッドと呼ばれるようになったらいい。
フォークとトラッドを大切にする姿勢、
ベースとして底を支える真面目さと優しさ。
とても安心させてくれます。
どうぞ健康的な毎日を。
おめでとうスペイン王。
おめでとう。
『刺青の男』//Ray Bradbury、小笠原豊樹 訳/ハヤカワ文庫NVフ2ー4

この名高い名作もやっと読了。刺青が物語る不思議な18の短編集。
吃驚するほど新鮮な恐怖、子どもの純粋な殺意をひっそりと息を詰めて読み、
息が漏れるほど美しくやさしい話を味わう。
緊張と弛緩が折り重なって織りあげる刺青の模様は、最後に読者を窒息させる。
実際なんどか窒息しかけましたよ。

お気に入りは「形勢逆転」「今夜限り世界が」
「亡命者たち」「狐と森」「街」「ロケット」
「亡命者たち」「ロケット」は『ウは宇宙のウ』にも収録されています。
後者はじんと胸に迫る。純粋に人間が美しく見える。
「狐と森」はサスペンスのどきどき、「街」は痛快な(?)復讐劇。
ぞくぞくします、この後を考えると。
「形勢逆転」は流石ヒューマニスト。繰り返させない歴史を作ってくれる。
大好きなのは「今夜限り世界が」。
こんなのが世界のおしまいだったら素敵だ。
最後に夫婦がようやく笑うんですね。あれがいい。死を遠ざける笑い。
目が覚めて、起きて、生きていたら。二人は万感をこめておはよう、って言える。
一時OKPで話題になりましたね、この歌詞にまつわるバンターについて。
こちら。
Seanが、ただのセックスの歌だとかコンプレックスの話だとか言って
Alanが歌い出しに失敗するという、なんとも奇天烈な伝説。
当時人気絶頂でしたからね、このときの反応は凄かったに違いないよ。
パロディとかいっぱい出たことでしょう。今読めませんかね。読みたいな。

 湾の向こうのギデオン・ブラウンは、大きく強い頑丈な船を持っていて
 父は中古に乗って漁をする度帰ってきては誓ってた。
 きっといつかお金を貯めて、あんな船を買いに行こうと。
 併合の日がやってきて、父は年金を手にする。
 それを貯金するから児童手当も貯金しろと言う。
 それでそうしたら、船を買いに行けるだろうから、と。
 何年も過ぎてゆく月日、弱っていく父。
 船のことなんて口にしなくなって、ただ「怖い」とばかり言う。
 もし事態がすぐに好転しないなら、いい船に乗る前に
 自分たちは死ぬしかないんだろうかと。
 父の手をとって座っていたある日彼が言う、「あの話だが」と。
 俺の保険の名義はお前にしてある 受取人なんだ
 俺が死んだら保険が降りるだろう、そしたら街まで行くんだ
 それで船を買いに行くんだぞ、と。
 いっつも思っていたことがある。どんなに誇らしいかと。
 ギデオン・ブラウンみたいな船を持っていたら。

Confederationが上手く意味を取れなくて、
カナダの領有になったことかと思って「併合」としました。
英国に年金がないわけじゃないと思うんだけどなぁ。どうなの?

父から息子への継承。いい歌じゃありませんか。
(まったく誰ですかふしだらな曲だと思ってるのは。)
しかしあれですよ。船がいかに高いか、というより、
漁業がいかに儲からないか、を歌っていますねこれは。
これ、お母様はどう思ってるんでしょうね、妻とか。
多分ばかばかしいと思ってるんだよ、女は現実主義だから。
だから男は女が嫌いなんだ。
Amazonで先行予約できます
You can pre-oder on Amazon.com.
できますが……わたしはとりあえず公式から買おうと思います。
You can, but I'm going to buy from the official,
郵送料1143円って高いんだよAmazonめ…………。
because of its high shipping fee.
きゃべつの名産地に生まれ育ったのでちょっとうきうきします。
I was raised on the soil where is famous for its cabbages.
どの辺がきゃべつなのか。楽しみ。
So this'll be a special one for me.

そしてジャケットが面白すぎてにやにやしますね、ご覧になりました?
Safe Upon the Shoreよりよっぽどストーリーのあるジャケットです。
(だって話が書けそう。書けるよこれ愉快なのが。書こうか。)
JesseiとPeteとRyanが好きなのでこの3人を見るのが楽しい。
そもそもこの、「明らかに労働者」なテイストが気に入っているので、
ジャケットから想像力を使わせてくれるなんて素敵なCDだなぁと思う。
そして画面中央、CANADAと書かれた、きゃべつの詰めこまれた箱。
その右、PatとRyanの間。よーく見ると、ONE WAYと書かれているんですね。
カナダ行き、一方通行のきゃべつなんだそうです。
どう見ても出荷できるようなものじゃなさそうですが。

気になるリストは以下の通り。
Here's the list of the CD.

 1. Raised on Black and Tans
 2. Space Race
 3. Cyclone McClusky
 4. Blind Monkey
 5. Green Eyes, Red Hair
 6. Just Ran Out of Whiskey
 7. Jimmy's Bucket
 8. Cecilia
 9. The Buzzards of Bourbon Street
 10. Turn This Ship Around
 11. Rum Runners
 12. Bourbon Street
 13. Crazy Eyes McGullicuddy
 14. Chucky Timm

セットで買うものとしてSafe Upon the Shoreが出ているのが笑える。
I was smiled when I'd seen "Frequently Bought Together."
ケルティックに惹かれている人がうっかり買っちゃったらがっかりするよ。
People who loves celtic will be dissappointed of their purpose.
だってSUtSはどう考えても、良くてカントリーだもの。(悪くてポップス。)
Definetly, SUtS is Country at most. (At least, it is just pops.)
でもこの2枚、よく考えると繋がってるんですね、ご存知でした?
However, did you know? these CDs are linked with each other.
SUtSで歌われるAmericaにはカナダ行きのきゃべつがあって、
In (beautiful) America, there are cabbages which will be shipped to Canada,
Cabbageに置かれている紅茶茶碗は、Have a Cuppa Tea。
On the jacket of Cabbage has a teacup to have a cappa tea.
それでそれぞれの公式見ればわかりますが、
Finaly, you can see it on their website,
GBSが招待した夕食の席に、盛装してGSが乗り込んでくる図式です。
There is a story ; GBS treats GB.
なのでやっぱり、2枚一緒に手に入れなきゃならないようです。
So, they may have to be combined.
あやめはなさく
一日遅れましたすみません……。

あやめ、かきつばた、はなしょうぶ。
(ハナショウブとショウブはまるで別物なんだそうです。)
1期ごと遅れて5月中旬から咲き始めるということ。
葉で見分けるのが一番わかりやすいのでしょうか。
前から順に主脈について、
不明瞭、細少、太い、となっているとのこと。
あやめの花は、花弁が網目状に入り組んでいて、鮮やかな紫を誇る。
わたしはこの手の花を見たときに今までかつて
これはあやめだかきつばただ、なんて思わなかったもので、
特に本日書くことがないわけでして。
きっと来年には、なにか書けるかと思います。
知っているというのはそういうこと。
世界を細かくみれるということ。
19世紀初頭に第一回の(英からの?)独立を祝った曲。
その船乗りの勇気と強さを高らかに歌い上げるトラッド。
drinking-songと思っていたので、歌詞を見て驚きました。
あら、こんな歌だったのね、という。
生真面目な船乗り(!)のジャックの話。
ひとつのストーリーになっていて、こんな話。

 裕福で真面目な船乗りのJ.H.に妻はいない。
 でも女っ気がないわけでは決してない、時々遊ぶぐらいの人。
 帰港途中に嵐に巻き込まれて、船から一掃された乗組員。
 みんな激しく岩にぶつけられて、自分が死ぬことを疑わない。
 海神は船乗りたちを殺そうとしたけれど神が風を宥めた。
 そうして生き残った、船乗りで縫帆手のばくち打ち、酒席の主役J.H.。

ネプチューン(海神)がsparを2つ切り落とす、と書かれているのだけれど、
ここがどうも気になる。
sparは海事としては帆桁、帆柱なんかの意味なんですって。
ただ、ケルトの神話でネフタンの項。
井戸の神でその井戸から水をくみ出そうとすると眼をやられる。
妻のボアンドは井戸の周りを回って大腿、手、眼と切り落とされる。
(詳しくはwikipedia参照。)
だからここでのsparは、失明を表しているのではないかなと思う。
そして文学的に言えば、失明は去勢の象徴です。
sparがね、だから、陰茎の意味を持っているんじゃないかな、とか。
そしてこのボアンドは溺死してしまうのだけれど、
J.K.が生き残るのはこの場合その対として考えてしまう。

駆けるアコーディオンがメインだと信じて疑っておりません。
最後でAlanが、アルバム版では囁くんですね。Jack Hinks。
ライブで声高に叫ぶのも好きですが、囁く方が好きかもしれない。
コーラスがなによりカッコいい。4人の声。飾り気のない声。
バウローンが支えて、堅実に重ねた音。
Seanのメインが柔らかくていい。柔らかいのに確実だからいい。
コーラスでAlanの声も聞こえるのだけど、あの癖のある声が不安定に聞こえる。
不安定で弱くて浮いて聞こえる。Darrellがうまく掬っているから余計。
それで吹き過ぎるホィッスルが切り裂く風を思わせる。
この曲は大地であり海であり空である。

さて歌詞を少し。

 2人の軍曹がニューファンドランドにやってきて、徴兵をする。
 500人の男が志願して、フローリゼル号で渡った大西洋。
 降り立ったスーヴラの砂の上、ガリポリは血の海だった。
 7月1日、英政府からのお達しで、第一線に立った兵士たち。
 死ぬ覚悟をした翌朝の、点呼に応えたのは一握り。
 ウォーター・ストリートの石工は今でも泣くのだ。
 男盛りの若者たちが戦いに出向いたその日を思って。
 王の言葉をただ一言聴きたくて、1,000の人が亡くなった。
 山の向こう、海の向こうへ
 勇敢なニューファンドランド人よ、いざ行かん
 フランドルでガリポリで、その功名を挙げよ
 さあ志願せよ、ともに行こう と。

Blue Puttees、というのは、ニューファンドランドの連隊のことだそうです。
青い巻きゲートルが軍服だったんでしょう、と推測するしかない。
この話は生き残りの方のお孫さんが書いた
Memoirs of the Blue Putteeに詳しいかと思います。
第一次世界大戦・ソンム戦線の話、とまとめてしまっていいのかな。
ソンムというのは両大戦でどちらも激戦区だった西部戦線です。
Beaumont-Hamelにニューファンドランド連隊の記念碑があるそうで。
このページによれば、連隊はガリポリの戦いを戦って、
そのままソンムに向かえとロンドンからのお達しが出る。
激戦区に送り込まれるのはいつだって、本国の人間じゃないんですよ。
あ、tipをもうひとつ。
4人が卒業した大学は、この戦いの日にちなんで建てられたそうです。
(大学はWater Streetにあるということです。)
歌いたくてしょうがなかった曲、だろうなぁ。

そう。昔からのファンは、こういうのに惹かれたんだなぁと、わかる。
この曲はかなり彼らを表していると思います。
特有の楽器、安定した演奏、剥き出しの音、無防備な拡がり。
重なる深い声の響き、トラッドであるということ。
彼らの根付いた大地にいるということ。
いままたこんな曲出されたら惚れ直す。絶対。
頼りないほど素直で素朴な、まるで無垢な音。
二度とないとわかっているからこの曲に恋するのですけれど。
夜。冷たい窓際月の色、言い訳探しと正当性。
タイトル通り、時間を稼いで答を探す歌。
一応歌詞を見ましょうか。

 また4時間も眠れずに横になっていた
 ずっと争い続ける理由を探して
 後悔しない方法を選んだ
 いままでにない大問題だったから
 茨道なんて歩きたくなかったのに
 君はいつでもイチかゼロかだ
 それで決断のときがきたから
 話の肝は全部隠すんだ
 あぁちょっと待って もう一日時間をくれ
 ちゃんと決着をつけようじゃないか
 言い争いなんか全部打っ棄って。
 いつでも君は流されるままだ
 歌詞を付け足しては歌を終わらせない
 時が来るまで待ってくれ
 どっちにも光明が見れるように。
 1人寝なんて怖くない
 1人でだって大丈夫
 また4時間眠れなかった
 終わりにしない理由探しを続けてばかり。

曲調は寂しくて穏やか。
パーカッションの音が染み入る。
約束と反故と喧嘩と祈り。
夜は明けない。
だから意地を張って、不毛な状況を続けようとする。
太陽がそれを明らかにするまで。

ただのラブソングです。書くことないわ。
Seanが囁くところが好きです。
 1人寝なんて怖くない
 1人でだって大丈夫
寂しくて切ない声。反則だろ。
海の音がささやかに続く。
ゆるく、ぼうっと汽笛みたいに低い音。
バウローンの打つリズム、桟橋を叩く波の音。
波止場のうらびれたアコーディオンの、導く語り手震わす空気。
そういうイメージ。
出だしが大層好きなのです。1分弱続く波の音。
greatと銘打つくせに控えめで、bigと気取るには幼い音。
そして疑いようもない海が、確かにそこにある。
海は繋がっていて、どこかにいつかたどり着くだろう、
それがどこであろうと目的地であることに違いはない。
そのイメージで歌詞を見ましたので切羽詰った感じがなくて、
白黒写真が淡々と語るような記録映画のようになってしまった。

 津波がロングビーチを襲った
 グラニーは言葉も出なかった
 津波が港に襲い掛かった
 キーオーの店に襲い掛かった
 お母さんずだ袋をくれないか
 ビーズやボタンをつけて担ぐんだ
 ブーツは壊れてコートも破れた
 でもグラニーに恋してる
 魚もいないし小麦粉も高くて
 グラニーは歓待ができない
 けど秋までにはなんとかなるだろう
 ならなきゃそれまで、船に乗るだけさ
 懐かしいカナイユへ出るだけさ

固有名詞について少し。
ロングビーチ(Long Beach)は南西の湾のこと。
グラニー・スヌークス(Granny Snooks)は人名。
カナイユ(Canaille)は南フランス、マルセイユのそば。
Great Big Sea、というのは、津波(tidal wave)のことですね。
トラッドと結構違うみたいですが、果たして。

goneという単語は、完了の時制としては経験を表せない。
行ってしまって帰ってきていない、これがgoneの意味。
素敵だと思いませんか。
偉大なる大海原に駆り出して、未だに帰ってこられていないのです。
それが1stアルバムのトップバッター。
今はもう家庭に「帰って」しまった、Darrellの伸びやかな歌唱力をご堪能あれ。
George Lucas

なんという……クロニクルだこと。
メタファに満ち満ちた最終章でした。
3POに、なによりははぁ、となりました。
あいつは明らかなロボットなのですね。
自分の意思で行動ができない、命令を待つしかない。
人間の形をしているだけに、なんという皮肉。

アインシュタインかな、「第四次世界大戦では人は石を持って戦うだろう。」
そんな平和な戦争の仕方になってさえ、争うことを止められない人間。
ところでエンドアでの戦いは凄かったですねえ。
倒れた仲間を抱き起こそうとして、動かないのを見て、寄り添う。
ああいうの初めて出た気がします。

最後。アナキン! という。嬉しくって涙ぐんだ。
ソロは実際、見えなくてもあの三人を感じていたと思う。
4でお金しか信じないと言い切った彼が、引き付けられるみたいに顔を向けていた。
ルークは父に勝てなかったとしても、ソロが勝った(一時的な失明)ので
大団円と言っていいのかなぁ、と思います。

そうだ、悪と老いというメタファは有効かしら。
ベイダー卿がアナキンになったとき、すごく若返る。
オビワンもあまり老いていない。
古いということはどういうこと?
Great Big Sea関係の記事を増やそうという算段。
アルバムごと曲を選んで毎日なにかしら書こうと思います。
どんな形の書き物になるかはわかりません。
読みづらそうな文章にしない努力はしますけれど。
カテゴリはpre-feast
今日から、スタジオアルバムを1枚目から8枚目まで。
選曲はシャッフルで最初に出てきた曲。
わたしの手元にCDが届くまで続きます。
お楽しみに。
父の日に関するインタビュー

Bobは8歳の息子とお出かけになったようです。
朝の5時に。
素敵だ。

みんな良いお父さんをしてくれればいいなぁと、本心から思うよ。
Alanも、BobもSeanも。Darrellも。
MurrayとKrisは父親になりたいのかどうなのかわからないけれど。
人の親であるというのは偉大なことだと思うから。


個人的な話。
わたしは父の日に本を贈りました。
(父の日はだんだんネタがなくなってくるので困るのよね。)
『陶淵明 詩と酒と田園』東方書店。
一目見て朗らかに笑ってくれました。狙い通り。
陶淵明は魏晋南北朝時代の学者だそうです。
本当は、唐代にお酒の好きな詩人がいたはずで、
その人の詩集にしようと思ったのだけれど
杜甫か李白か思い出せずに断念しました。
李白のようですね。詩仙。(杜甫もお酒好きなようですが。)
死に方が素敵なんですよねぇ。
お酒に酔って、月を捕まえようとして、舟から落ちて亡くなるのです。
父にはぜひこういう死に方をして欲しい。
李白はその死に方によって李白になったと思うのです。
李白であることを完了した、というか。
月を捕まえようとして舟から落ちるんですよ?
詩人じゃなかったらできません。
だから例えば海で流されたとか山で遭難したとか、
とにかく彼じゃなかったら死ねない場所で天寿を全うしていただければ。
娘としてはまだ許せるのですよ。
なんにしても父親というのは、家の中では死ねないのだと思います。
偏見?(笑)
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Christian Gailly、Ray Bradbury、Edgar Allan Poe、Oscar Wilde
好きな画家
:William Turner、Jacob van Ruisdeal、いせひでこ、いわさきちひろ
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