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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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コーラスがなによりカッコいい。4人の声。飾り気のない声。
バウローンが支えて、堅実に重ねた音。
Seanのメインが柔らかくていい。柔らかいのに確実だからいい。
コーラスでAlanの声も聞こえるのだけど、あの癖のある声が不安定に聞こえる。
不安定で弱くて浮いて聞こえる。Darrellがうまく掬っているから余計。
それで吹き過ぎるホィッスルが切り裂く風を思わせる。
この曲は大地であり海であり空である。

さて歌詞を少し。

 2人の軍曹がニューファンドランドにやってきて、徴兵をする。
 500人の男が志願して、フローリゼル号で渡った大西洋。
 降り立ったスーヴラの砂の上、ガリポリは血の海だった。
 7月1日、英政府からのお達しで、第一線に立った兵士たち。
 死ぬ覚悟をした翌朝の、点呼に応えたのは一握り。
 ウォーター・ストリートの石工は今でも泣くのだ。
 男盛りの若者たちが戦いに出向いたその日を思って。
 王の言葉をただ一言聴きたくて、1,000の人が亡くなった。
 山の向こう、海の向こうへ
 勇敢なニューファンドランド人よ、いざ行かん
 フランドルでガリポリで、その功名を挙げよ
 さあ志願せよ、ともに行こう と。

Blue Puttees、というのは、ニューファンドランドの連隊のことだそうです。
青い巻きゲートルが軍服だったんでしょう、と推測するしかない。
この話は生き残りの方のお孫さんが書いた
Memoirs of the Blue Putteeに詳しいかと思います。
第一次世界大戦・ソンム戦線の話、とまとめてしまっていいのかな。
ソンムというのは両大戦でどちらも激戦区だった西部戦線です。
Beaumont-Hamelにニューファンドランド連隊の記念碑があるそうで。
このページによれば、連隊はガリポリの戦いを戦って、
そのままソンムに向かえとロンドンからのお達しが出る。
激戦区に送り込まれるのはいつだって、本国の人間じゃないんですよ。
あ、tipをもうひとつ。
4人が卒業した大学は、この戦いの日にちなんで建てられたそうです。
(大学はWater Streetにあるということです。)
歌いたくてしょうがなかった曲、だろうなぁ。

そう。昔からのファンは、こういうのに惹かれたんだなぁと、わかる。
この曲はかなり彼らを表していると思います。
特有の楽器、安定した演奏、剥き出しの音、無防備な拡がり。
重なる深い声の響き、トラッドであるということ。
彼らの根付いた大地にいるということ。
いままたこんな曲出されたら惚れ直す。絶対。
頼りないほど素直で素朴な、まるで無垢な音。
二度とないとわかっているからこの曲に恋するのですけれど。
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