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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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//Truman Capote、河野一郎 編訳/ちくま文庫 か26-1

素直に『冷血』とか『ティファニーで朝食を』とかから入ればいいものを。
すっきりとさっぱりとした文体で、幾分ヘミングウェイの短編を思わせます。
ただし、あんな現実性はまるでない。
現実性をあまり伴わないのに幻想に振り切っていない。
ふたつのあいだでバランスをとって、不恰好に危なっかしく、緊張している。
「ローラ」と「銀の酒瓶」がお気に入りです。
この二編は読みやすいので少しご鑑賞あれ。

Bradburyに似ている、と言われて読んでみたのだけれど、
うーん、似ているのかしら、短編だけじゃなんとも言えません。
『猫のパジャマ』収録作品みたいな味わいをここからは感じるけれど、
彼に特有の不思議な感覚をわたしはCapoteからは読めない。
どこら辺が似ているんだろう。
ちなみにrelieurの口を借りれば、彼の作品は
「銀鉢の中の水に似ていて、わたしには少し冷たすぎる」ということです。
英語って恥ずかしいな!

そういえばわたしはなぜOKPに行くと顔文字を平気で使う女になるんだろう。
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『永遠の夢』//Ray Bradbury、北山克彦 訳/晶文社

訳云々が言いたくなかったら原書で読めばという話。
この訳変じゃない? というのは特別感じませんが(なにしろ原書未読なので)、
この日本語変じゃない? というのは思った。
日本語の似合わない作家ですねぇ心底。

Bradburyなりに、永遠に生きることを考えてみた結果のひとつと思われる。
「どこかで楽隊が奏でている」「2099年の巨鯨」、どちらも時間に対決する。
前者はわたしの中で未消化で煮え切らないのですが、後者。
Bradburyにしては珍しくコンピュータを駆使している、と思いました。電機多め。
内容は『白鯨』に『海底20万海里』をブレンドしてBradburyで仕上げた、という感じ。
大筋で『白鯨』を追っているので、未読でしたら先にこちらを読まれるといいかも。
所々に『海底』の影響を見るので、探すと面白い。
船長の名前がないことがまずその影響ですよねどう見ても。
//夏目漱石 著、長尾剛 編/PHP文庫な51-3

タイトルが悪い……。「ホラー」と銘打つべきではない。
「異聞」や「奇譚」の方がずっといいと思いますよわたしは。
実際心胆を寒からしめるような話ではなくて、すいと背中に水を差されるくらい。
好みは『夢十夜』の「第一夜」、『我輩は猫である』の「迷亭先生の話 その一」、『趣味の遺伝』。
一番最後のにしたって、文体は幾分堅苦しく思わせますが
あちこちに思わずふと息を吐くようなユーモアが覗く。
時代を代表する作家なのだなぁと、唸ってしまう。

Forumに書き込むべくAmazonで『夢十夜』の英訳題を探す中で、
『草枕』がThree Cornered World となっていたのが面白かった。
面白いらしいですが未読です。読みたいなぁ。
肝心の『夢十夜』は二種類あってTen Nights of Dream、あるいはTen Nights' Dreams ですが
個人的には後者が訳として適当かと思います……。
どうなのでしょうね? ねぇ。
十ある夜の夢、なのであって、夢の中の十の夜、ではないのですよね。
日本語は複数が数詞で賄えるので複数形が要らなくて、
そういうときにとても、ピジン言語なのだなぁと思い知る。
//Ray Bradbury/bantam

相変わらず語彙は難しいのですが文法も中身もそう難しくありません。
というか、日本語の方が難しいのではないかしら、晶文社。誤訳と思える箇所もあります。
一部眠くなるのですが、全体としては上手く仕上がっているかと。

内容は少年の夏。1928年、生きていることを発見した少年が夏を生き延びる話。
ヒントとテーマは死と孤独。時間と老い。
生きていると気づかなければ死ぬことは存在しない。

本筋とは関係ないのですが、わたしは28番目の話が好きです。また会う約束をする話。
なんども生まれ直すという永遠性は、時計が円を描くのと同じで終わらない。
自分達はどうすることもできない、とトムは言うけれどダグはそれを承知できない。
だって彼は自分を時間の外に置いている。

さて、永遠に生きよと命ぜられた作家のみた永遠は、ここに描かれているのかしら。
『海へ帰る日』//John Banville, 村松潔 訳/新潮社

研ぎ澄まされた「意識の流れ」の手法をご覧じん。
別にあまり類似点もないのにChristian GaillyとAnna Gavaldaを連想した。
あとHenry Jamesも。あの淫靡さにおいて。

過去と大過去と現在が、融けて混ざって流れていく。
潮が引くみたいに打ち寄せては素知らぬふりで離れて消える、証拠は濡れた砂地だけ。
鮮明すぎる幼い夏の記憶が、海の匂いに混じって溶けるような話でした。
その生々しさ。生きているのは死を前提とすることだという諦念。
全てを生み出したはずの海に死んでいく物語。

面食らったのは意外と難しい漢字を臆面もなく使いまくってるところ。ルビなしで。
穿鑿(せんさく)なんて単語、久々にお目にかかりました。

アイルランドの作家なんだそうですが、それにしては名前に首を傾げる。
姓はなんだかフランスっぽいし、名はなんだかイギリスっぽい。
とにもかくにも息づくほどに繊細で、壊れもしない確かな書き口。見事な構成。でした。
//荻野みちる/講談社

クジラ研究者から見た日本の現状。
残念だなぁ、と思ったのが、英語が堪能なせいでしょう、欧米主義に偏る。
一番腹立たしかったのはスマトラ地震においての合衆国の情報賛美。
「同じアジアの日本」と書かれていたけれど、衛星の数も人口も差がある上、
合衆国の情報隊、沖縄から飛んでるんでしょうが……。
(本国から飛ばしているとは考えづらい。)

『白鯨』を読み終えたところで、
現在の捕鯨に関する知識欲求が頭をもたげたのがきっかけ。
しかしながら根本の謎の解明にこの本は役に立たなかった。残念。
日本側の態度の悪さ、というのは改善の余地があるとは思いますが、
日本そのものとしてはある点でまず納得がいかないのではないでしょうか。
つまり、なぜ「鯨」を捕まえてはならないのか。
野生動物全てに生きる権利は保障されていると荻野女史は仰るけれど、
だったら魚はいいのか、養殖ならいいのか。
かつて野生だった全ての家畜動物はそれで納得するのか。
ひとつに情けをかけるということは、
それに関する全てに例外を適応する権利があるということだ。
大体「権利」なんていうのは
そもそも人間がそれ以外の動物に対して利用していい言葉ではない。
「一個人personality」という言葉がその素地にあるわけで、
一体人間以外の動物にこの言葉を通用させていいかどうかは考えないのかしら。

わたしはこの手の環境問題に対してひとつの根本があります。
これを考えるのを拒否するのは卑怯だと思うし、逃げるべきでないと信じている。
つまり、人間が生きていることが問題だということ。
人間が壊してしまったというのならそれに最後まで付き合うべきで、
悪あがきはするべきじゃないと信じている。
わたしたちは既に罪びとだからもう誰も石を投げられないし、
まだ生まれていない人にはもちろん投げてもらえない。
断罪してくれる人間などこの世にいないのだから
被害者だけが加害者を罰する権利がある。
今被っている、「異常気象」だとか呼ばれるものがその報復でしょう。
これを更に克服しようと考えるのは、ただのいたちごっこでしょう。
fin de siecle? どうとでもお呼びください。
そもそも気象や自然を「克服」しようだなんて考えがまず西洋的で気に入らない。
プロファイルして手元で管理しようとする考えも気に入らない。
動物が好きな人ってどうしてこうなの?
動物愛護団体とか、正直ぞっとする。
愛護されなきゃならないほど彼らが弱いだなんて、誰が信じてるの?

もちろん荻野氏の仰る通り、
残留毒物などの問題でクジラ肉を食べることを推奨できないという点はあると思います。
わたしは「調査捕鯨」の「調査」が一体何を指すのかまるでわからないし、
あれが完全に合法だ、と言い切る自信もまるでない。
日本人の態度そのものが日本を弱くしているということもわかる。
黙ればいいと思ってる、耐えればいいと思ってる、それが日本のやり方だもの。
そのうち爆発するぞ、とひそかに思うわけだけれど、
現在の政治・教育状況のほうが気がかりなので今回はとりあえずこれで打ち切る。

日本人は、どうして日本のために何かしようとは思えないんでしょうね?
所属する団体とか会社のためにはここまでできるのに。
読んでいただいてありがとうございました。
//中村融、山岸真 編//河出文庫ン2-2

総勢14人によるSF短編アンソロジー。作品リストを以下に。
 「初めの終わり」 レイ・ブラッドベリ
 「ひる」 ロバート・シェクリイ
 「父さんもどき」 フィリップ・K・ディック
 「終わりの日」 リチャード・マシスン
 「なんでも箱」 ゼナ・ヘンダースン
 「隣人」 クリフォード・D・シマック
 「幻影の街」 フレデリック・ポール
 「真夜中の祭壇」 C・M・コーンブルース
 「証言」 エリック・フランク・ラッセル
 「消失トリック」 アルフレッド・べスター
 「芸術作品」 ジェイムズ・ブリッシュ
 「燃える脳」 コードウェイナー・スミス
 「たとえ世界を失っても」 セオドア・スタージョン
 「サム・ホール」 ポール・アンダーソン

明確に覚えている作品と、うすぼんやり覚えている作品とにくっきり分けられます。
好みの問題としか言いようがありませんけれど、気に入った作品をいくつか取り上げると
「ひる」「父さんもどき」「隣人」「真夜中の祭壇」
そして「証言」、「たとえ世界を失っても」。
ヒューマニスティックな作品が好きな方には上記いずれも自信をもってお薦めいたします。
「ひる」と「父さんもどき」はヒューマニスティックとは一線を画すかと存じますけれど、
ひりひりするような焦燥感をお楽しみいただけるのではないかしら。
前者は全体主義、後者は家父長制度(それから差別)への潜在的恐怖を描き出す。
「隣人」と「真夜中の祭壇」はどちらもオチが技巧的な、
前者はユートピア小説、後者はまるで写実主義小説。
のんびり読める造りになっています。
そして「証言」、「たとえ世界を失っても」。
感受性が悲鳴を上げました。
何度も読み返してしまった。言葉を一語一語追って、拾い上げて。
ラストを知っているのにいつも最後で胸がつまる。愛しくて美しくて堪らない。
先入観と視覚に頼りがち、という人間の弱さを上手く包んで広げてみせた。
個人的にいちばんだ、と思うのは「証言」。ほとんど同着で「たとえ世界を失っても」。
どちらもすとんと着地して、空洞なのに満ち足りた気持ちにしてくれます。
ラッセルの作品集はたぶん買います。

もちろん、以上に挙げなかった作品にも魅力は満ち満ちております。
たとえば「なんでも箱」はウェルズの「水晶の卵」を思わせるし、
「幻影の街」「消失トリック」「芸術作品」「サム・ホール」には
強くつよく全体主義への警告がくっきり浮かび上がる。
SFのすごいところはあらゆる方法で世界を作ってしまうこと。
そして現在をさえ変える力をもっていること。
未来を提示して、選ばせてくれる。
白鯨(下)//Harman Melville、高橋勝治 訳/旺文社文庫

ようやく読了と相成りました。
昨日読み終わったのですが、また感想書きそびれていました。
OKPには自慢してきたのですよ、読み終わったことを。
……嫌がられるだろうなぁ。

忍耐の要る、緊張を強いる1冊です。
なにしろそうでないと内容に頭が追いつけない。読み過ごしてしまう。
でも少しどころかかなり冗長な内容ですね。
上巻の感想のときも書いたかと思いますが、知識量が半端じゃない。
でもそれ要らないだろ、っていうね。

けれど描写が細かくて、厳密で美しく想像力を煽り立てる。
さあこの海の偉大さを、美しさを恐ろしさを想像できるものならしてみたまえと挑発する。
経験して体験して感動したMelvilleだから書ける方法で。
その描写に心奪われてしまって、最後少しあっけなかったかなと思います。
それはもっと重厚感溢れる書き口で語ってくれよ重要だろ、
と思ったのですが、逆にこのシーンを軽くあっさりと書くことで
視点の限定を図っているような気もしないではないです。
人なんてあっけないもので、(メタファーとしての)白鯨はそれを自在にさえさせる。
雄大な海は世紀の終わりから初めまでそこにあるけれど、人間は違う。
これが一貫した姿勢でした、ね。
あとは幾分ハムレットを彷彿とさせました。あの語り! 冗長!!

構成に感しては絶賛を送りたい。
棺に始まり棺に終わる。この環形は輪廻の思想もあると思います。
あるいは始まりの棺は(暗く閉ざされたという意味で)子宮を指し、
(イシュメールとクィーケッグはだからこそシャム双生児になれる、)
終わりの棺はそのものずばり死を象徴するのではないでしょうか。
そして「孤児」として生まれ直す。
完全なる一貫性。
いつかまた読み返そう。
次読むときは知識如何は全て飛ばす。でないとパンクするから。


蛇足!
最後の棺を読んで最初に思ったのは「メイルシュトロームの旋回」(E.A.Poe)ですが、
次に思ったのはOne Pieceでした。
ルフィは常々「非人間的」と描かれますが、
あいつ最初死んでたんですね、そりゃ死ぬこと怖くないよ。
//安野光雅、藤原正彦//ちくまプリマー新書027

安野さんというと、素朴で柔らかい絵を思います。
細いけれど明確な線も、淡くて確かな色使いも、優しい。
藤原さんは1冊読めば彼の言いたいことが全部書いてあるのでいいでしょう。
とりあえず鴎外の『即興詩人』は読もうと思います。

安野さんが最後に言うのですが、弟に嘘をつく話。
これが、前述のBradburyに繋がります。「火の柱」
停電したとたんに遭難したと思い込んだ遊びを始める。
暗さの中で、見えないのをいいことに好き勝手に想像していく。
で、本気になって遊んでるのに電気が点くと魔法が解けてしまう。
これはね、そんなのあるわけないと思った人の敗けですよ。
頭の中はどこまでも自由ですもの。
スはスペースのス//Ray Bradbury、一ノ瀬直二 訳//創元SF文庫

かなり前に読み終わった本で、感想も書かず白鯨と格闘しておりました。
好きなのは「孤独な散歩者」「別れも愉し」「泣き叫ぶ女の人」「市街電車」
そしてなにより「遠くて長いピクニック」。タイトルの訳がまず素敵。
『火星年代記』の最終章だということにはしばらくしてから気づいたのでした。
Bradburyが描くよその星への旅はわりと大航海時代的だと思う。
例えばWellsの『宇宙戦争』が帝国主義的、侵略目的なのに対して
Bradburyは植民目的なのですね、相手から搾取しようとはまるで思っていない。
そこに住んで生きるということが第一義なので住んでいる人よりも土地が大事。
そしてそこにうまれる、現地人と到着者との抗争を巧みに描く。
今回で言えば「ゼロ・アワー」、「浅黒い顔、金色の目」はその次の段階。
それから想像力を絶対的支持し、過度な発明を忌避する。「飛行具」なんかまさに。
これはちょうどダイナマイトと原子爆弾に当てはまることですよね。
どちらも悪用のために作ったのではないということ。
ヒューマニストの、ヒューマニストたる短編集。
//後藤明/講談社選書メチエ

文化人類学の本。
副題が「海人で読む日本の歴史」なので歴史観の本かと思ったのですが、
環太平洋を広く見た、「海を渡る」ことそれ自体と生活文化の話。
興味ないところを飛ばしに飛ばしたので大局を掴めているとは言えないけれど、
旅をすることと放浪することの違いを考えるいいきっかけでした。
付箋やら書き込みやらが割と多い一冊。
いろんなメタファをいただいた気がします。
旅に関して、それから男女について。

『ブレンダン航海記』を読むこと。
あとクリフォード氏の『ルーツ』も。
//Edward Bellamy

邦題は『かえりみれば』。翻訳絶版。
モリスの『ユートピアだより』のときに引き合いに出しましたけれど
実はそのときは読めてなくて、今読了。
最後! あぁ帰ったのね、と思ったら、ちゃんと最初に戻れてる。圧巻でした。
テーマは文明批判かな。機械や格差は堕落をつくる。
『ユートピアだより』でも徹底的に描き出された事象です。
『かえりみれば』で機械が出ていても、記録装置がなかったのは感心しました。
あれを作ったことで人間はコンピュータに頭を下げざるを得なくなったから。

19世紀エディスの会話がなかったのに対して20世紀のエディスがよく喋ったのは
フェミニズムの観点から見ることもできると思います。
わたしはフェミニズム批評苦手なのでそういう見方はしませんけれども。

本は市の図書館から借りました。借りパクしたいほど興味深い本でございます。
というのは、本自体が。
うまく写らなかったのだけど、ダイアルの内側。
RECEIVED
21 MAR 1945



『ユートピアだより』//William Morris, 五島茂 訳/中央公論社

彼は確かにあそこに存在したのでしょうね。
終わり方にBradburyの「トインビー・コンベクター」を思い出した。
これが未来だと知っているからその未来を実現できるということ。
その希望をここには残しています。
あとは随所に芸術の擁護者であるところのモリスらしさを見ます。
さあ、これが実現するには、どんな人間性が必要だと思います?
『かえりみれば』と読み比べると面白い。
『刺青の男』//Ray Bradbury、小笠原豊樹 訳/ハヤカワ文庫NVフ2ー4

この名高い名作もやっと読了。刺青が物語る不思議な18の短編集。
吃驚するほど新鮮な恐怖、子どもの純粋な殺意をひっそりと息を詰めて読み、
息が漏れるほど美しくやさしい話を味わう。
緊張と弛緩が折り重なって織りあげる刺青の模様は、最後に読者を窒息させる。
実際なんどか窒息しかけましたよ。

お気に入りは「形勢逆転」「今夜限り世界が」
「亡命者たち」「狐と森」「街」「ロケット」
「亡命者たち」「ロケット」は『ウは宇宙のウ』にも収録されています。
後者はじんと胸に迫る。純粋に人間が美しく見える。
「狐と森」はサスペンスのどきどき、「街」は痛快な(?)復讐劇。
ぞくぞくします、この後を考えると。
「形勢逆転」は流石ヒューマニスト。繰り返させない歴史を作ってくれる。
大好きなのは「今夜限り世界が」。
こんなのが世界のおしまいだったら素敵だ。
最後に夫婦がようやく笑うんですね。あれがいい。死を遠ざける笑い。
目が覚めて、起きて、生きていたら。二人は万感をこめておはよう、って言える。
『何かが道をやってくる』//Ray Bradbury, 大久保康雄 訳/創元SF文庫612-01

原書(AVON社)で頑張っていたのだけれど、どうにも無理で日本語読みました。
最初は我慢して読まなきゃならなかった。ついていけなくて。
ジムとウィルがね。どっちがどっちなんだか。
途中でぱたりと見分けがつく瞬間がくるのだけど、それまでが苦痛。

Dandelion WineThe Halloween TreeFarewell, Summerと同じく死と戦う少年の話。
Poeの後継者、という感じがびしばしします。幻想文学の傑作。
あぁいいなぁ、と思ったのは、タイトル。
「この道」は町へ通じる道。
初めにやってきた秋の人間、真夜中過ぎ、それを追い払って夏の人間がやってくる。
これは真夜中過ぎたらmorningと言える英語ならではの作品だと思う。
日本は丑三つ時を越えるまでは夜だもの。
珍しく大人が活躍するなぁと思った。
53歳だからできた活躍の仕方だろうなぁ。

個人的には決定的な解決が描かれていないことに好感が持てます。
相変わらず男尊女卑的な視点も見えますけれど。
現代医学の発見をすでに1962年に知っていたのかと思うと頭が下がる。
つまり、笑いが死を遠ざけるということを。
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HN:あず/relieur
HP:SailingDay
性別:女性
自己紹介:
歴史(独愛蘇)と旅行が好き。
好きな作家
:いしいしんじ、江國香織、梨木香歩、藤沢周平、福井晴敏、
Christian Gailly、Ray Bradbury、Edgar Allan Poe、Oscar Wilde
好きな画家
:William Turner、Jacob van Ruisdeal、いせひでこ、いわさきちひろ
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