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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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『海へ帰る日』//John Banville, 村松潔 訳/新潮社

研ぎ澄まされた「意識の流れ」の手法をご覧じん。
別にあまり類似点もないのにChristian GaillyとAnna Gavaldaを連想した。
あとHenry Jamesも。あの淫靡さにおいて。

過去と大過去と現在が、融けて混ざって流れていく。
潮が引くみたいに打ち寄せては素知らぬふりで離れて消える、証拠は濡れた砂地だけ。
鮮明すぎる幼い夏の記憶が、海の匂いに混じって溶けるような話でした。
その生々しさ。生きているのは死を前提とすることだという諦念。
全てを生み出したはずの海に死んでいく物語。

面食らったのは意外と難しい漢字を臆面もなく使いまくってるところ。ルビなしで。
穿鑿(せんさく)なんて単語、久々にお目にかかりました。

アイルランドの作家なんだそうですが、それにしては名前に首を傾げる。
姓はなんだかフランスっぽいし、名はなんだかイギリスっぽい。
とにもかくにも息づくほどに繊細で、壊れもしない確かな書き口。見事な構成。でした。
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自己紹介:
歴史(独愛蘇)と旅行が好き。
好きな作家
:いしいしんじ、江國香織、梨木香歩、藤沢周平、福井晴敏、
Christian Gailly、Ray Bradbury、Edgar Allan Poe、Oscar Wilde
好きな画家
:William Turner、Jacob van Ruisdeal、いせひでこ、いわさきちひろ
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