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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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//荻野みちる/講談社

クジラ研究者から見た日本の現状。
残念だなぁ、と思ったのが、英語が堪能なせいでしょう、欧米主義に偏る。
一番腹立たしかったのはスマトラ地震においての合衆国の情報賛美。
「同じアジアの日本」と書かれていたけれど、衛星の数も人口も差がある上、
合衆国の情報隊、沖縄から飛んでるんでしょうが……。
(本国から飛ばしているとは考えづらい。)

『白鯨』を読み終えたところで、
現在の捕鯨に関する知識欲求が頭をもたげたのがきっかけ。
しかしながら根本の謎の解明にこの本は役に立たなかった。残念。
日本側の態度の悪さ、というのは改善の余地があるとは思いますが、
日本そのものとしてはある点でまず納得がいかないのではないでしょうか。
つまり、なぜ「鯨」を捕まえてはならないのか。
野生動物全てに生きる権利は保障されていると荻野女史は仰るけれど、
だったら魚はいいのか、養殖ならいいのか。
かつて野生だった全ての家畜動物はそれで納得するのか。
ひとつに情けをかけるということは、
それに関する全てに例外を適応する権利があるということだ。
大体「権利」なんていうのは
そもそも人間がそれ以外の動物に対して利用していい言葉ではない。
「一個人personality」という言葉がその素地にあるわけで、
一体人間以外の動物にこの言葉を通用させていいかどうかは考えないのかしら。

わたしはこの手の環境問題に対してひとつの根本があります。
これを考えるのを拒否するのは卑怯だと思うし、逃げるべきでないと信じている。
つまり、人間が生きていることが問題だということ。
人間が壊してしまったというのならそれに最後まで付き合うべきで、
悪あがきはするべきじゃないと信じている。
わたしたちは既に罪びとだからもう誰も石を投げられないし、
まだ生まれていない人にはもちろん投げてもらえない。
断罪してくれる人間などこの世にいないのだから
被害者だけが加害者を罰する権利がある。
今被っている、「異常気象」だとか呼ばれるものがその報復でしょう。
これを更に克服しようと考えるのは、ただのいたちごっこでしょう。
fin de siecle? どうとでもお呼びください。
そもそも気象や自然を「克服」しようだなんて考えがまず西洋的で気に入らない。
プロファイルして手元で管理しようとする考えも気に入らない。
動物が好きな人ってどうしてこうなの?
動物愛護団体とか、正直ぞっとする。
愛護されなきゃならないほど彼らが弱いだなんて、誰が信じてるの?

もちろん荻野氏の仰る通り、
残留毒物などの問題でクジラ肉を食べることを推奨できないという点はあると思います。
わたしは「調査捕鯨」の「調査」が一体何を指すのかまるでわからないし、
あれが完全に合法だ、と言い切る自信もまるでない。
日本人の態度そのものが日本を弱くしているということもわかる。
黙ればいいと思ってる、耐えればいいと思ってる、それが日本のやり方だもの。
そのうち爆発するぞ、とひそかに思うわけだけれど、
現在の政治・教育状況のほうが気がかりなので今回はとりあえずこれで打ち切る。

日本人は、どうして日本のために何かしようとは思えないんでしょうね?
所属する団体とか会社のためにはここまでできるのに。
読んでいただいてありがとうございました。
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