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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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//RomanMyth/Geraldine McCaughrean,Tony Ross

子供向けのローマ神話本。
タイトルが焚書だったので読んでみただけ。
同時収録であひるの話が入っているのだけど、こちらは読んでない。

焚書というのはいつの時代もそうだけど、書かれている内容を危険思想とみなして
それを読まれないためにすることなんですね。
始皇帝もナチも、『華氏451』でも。
書物は読まれる前提で書かれ、政治政策に合わないという理由で権力者が焼く。
ここでは、その焚書の意味は半分正しくない。
読まれるために書いたのに焼くのは書き手本人で、目的は権力者を追放すること。
そして、焼いてしまうことで書物そのものの価値を高めています。
めだかと一緒ですね。
数が少なくなると有り難みが出てくるわけです。
なにしろ有り難いので。
これは『華氏451』の解説でも書かれていましたが、
大量出版時代で書物が溢れかえるようなご時世、
これも読むべき本を見失うという点では焚書に通ずるのではないかしら。
JoyceがFinnegans Wakeで述べるように、Gutenbergは本の価値を殺した。
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//Random House
SteppingStonesのシリーズ。
子ども向けプロジェクトの一環として出ている本だそうで。
いかにもアメリカ的な挿絵と英語(笑)
実際とても平易な英語です。読み易い。
これぐらいなら黙読より音読がいいだろうな。

こういう、なんですか、伝承というの?
RobinHoodの話を読むのは初めてだったのですよ。
英語圏の人間なら誰でも知ってるようなヒーローなのね。
差を感じる。明らかな溝みたいなのを。
どれだけ勉強してもそういうふうに染みこんでいるだろう
文化の差を埋めることはできないし、
わたしの日本語志向主義が英語を習得することを邪魔する。
なにしろわたしは日本語が使えなくなることがなにより怖い。
オーストラリアから帰ってきたときの恐怖を未だに覚えてる。
英語で話せないのを悔しがるのに、日本語で話せないのを怖がる。
//H.G.Wells/Penguin CLASSICS

英国の岩波、ペンギンの古典作品シリーズ。
WellsはSFが好き。冴えてる。とても科学的だし、なんというかな、余分な設定がない。
ちなみに本書は所謂普通小説で、ある人間の半生を描いたもの。
Tono Bangeyよりこっちのが好き。救いがある。あと面白い。

中流階級出身の主人公Kippsが莫大な遺産を相続して、
仲間入りした上流階級の中で悪戦苦闘して
階級どっちつかずですったもんだの末に、という、波乱に溢れるストーリー。
最初はまるで面白くない。最初っていうか半分くらい。
後半うっかり感動した。
KippsがAnnに、half-sixpenceを開いた手のひらに2つ見せる場面が好き。
この後の2人の会話のなんて愛しいこと!
Annが健気で。愛しくてかわいかった。
あと個人的には最後のシーンがとても好きです。
KippsがAnnとボートに乗るシーン。
あれは神さまのボートだと思う。運命の舟、という意味。
揺られ続けた半生を持って、本屋に腰を下ろす。

英語がちょっと古いのと、ひたすら訛るので読みにくい。特に最初は。
あらゆるhが落ちて、時々語尾のtを発音しない。仏語のやり方ですね。
そういう新鮮味が売りなんだそうですが。

とりあえず読み終えた達成感。
知らない単語殆ど調べずに通したけど、とにかく読めた。
これで感想と粗筋書いておしまい。
この単語を初めて見たのはSeanのTwitterだったかしら。
X ってなによ、とそのとき思ったものです。
Seanを「信頼の置ける話者」としていない意識と
欧州文化への知識の浅薄さの現われだったと思います。
10th、の意味ですね。
(2日遅れの)10枚目スタジオアルバム速報です。


we hope to have out there for all to enjoy in early Summer 2010.(A's FTR Jan. 5th

不確定ですが6月から8月ということで。
これからまたニューオリンズ戻って仕上げ、サウンドチェックなど。
それからレコード会社と交渉、ジャケット依頼先の決定、
それで商品化開始、販促開始。
Bobはなにを思ってearly Springなどと仰ったのか……。


見てなかったせいで反応遅れました。
FTRはいつも見そびれる。読むの疲れるから。
12月17日、31日の手記面白かった!
our Bob、our Magoo、our KMac、our Foster
Magoo(Sean)とKMac(Kris)に愛を感じる。
あと、our、っていいな。
時差になど構わず新年のご挨拶を申し上げます。
Being sorry for my regardlessness of your time zone, I say 'Happy New Year' to you.

去年はわたしにとって転換の時間でした。
音楽、それも洋楽なんかにハマると思わなかったし、
絵を描くだなんてわたしの人生に有り得ないと思ってた。
その半年間、1人楽しすぎるぜー、を地できましたが、
わたしが最初の1人でない、ということの力強さを、かきながらひしひしと思います。
今年もよろしくお願いします。

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KrisのMy Space、面白いことになってます。
まだ聴いてません。怖くて。なにが起こるやら。
エピファニーまでどうぞそのまま!
とか言いつつ彼は長老派だと思ってる。

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とりあえず3月までのツアー予定公開!
欧州……9月ぐらいに欧州……っ!

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SeanのTwitter、わたしより早く新年の挨拶を仰るとはどういうこと。
Calm Befor the Storm//1996

カルガリーはアルバータのカントリー歌手。
西海岸よりで、Celticな感じもなにもないカウボーイです。
つまりGBSとはなんの関係もありません。
Olympicで17日にメインで歌う人なんですが、
深みのある落ち着いたバリトンが素敵です。
穏やかで滑らかでしみこむ。じわっとくる。
ビブラート? 揺れる語尾にぐっとくる。
アルバム収録分だと、I Do、表題作、On the Insideに慰められる。
Youtubeで観るならRisk、聴くならWhen You Call My Nameなんかが好み。
静かな曲ばっかり挙げてみましたが、12 Step Recoveryは大掃除のBGMにしようとしています。
アップテンポでちょっと伊達男っぽい(というイメージ)。
デビュー当時からかぶり続けてる黒のカウボーイハットがトレードマーク。
なにしろ西ですからね。
老人と海//Ernest Hemingway 福田恒存訳/新潮文庫赤100D

Hemingwayは短編が好きです。「橋の袂にいた老人」とか「白い象のような山々」とか。
長編は冗長に過ぎる、というか文体があまりに男性的すぎて読みづらい。
くっきりきっぱりさっぱり切り取る短編がいいですよ。それでまた切り取り方が上手いの!
映像化し易いんですね、心象風景が少ないから、全くの第三者として話を眺めることができる。
たまたま通り過ぎた人物としての読者なんですよ。登場人物に対してただ傍観する。
人物たちのなかに入り込めない、それが新大陸っぽい、と言って通じるかしら。
登場人物たちはお互いに欧州なんですよ。それぞれに生きてきた過去を持っている。
でも読者は急にその現実だけを目の当たりにさせられて、放り込まれるだけ。
それが新大陸っぽい(アメリカ文学っぽい、ではなく)。
まあこんな話してたらいつまで経っても本題に入れないわけで。

サンチャゴが魚の分も祈るシーンが好きです。
帰路の間に謝るのも。
少年との会話も。
歯を食いしばって戦って、勝ち取る、その孤独。
鮫と戦ったときに、くくりつけた魚に、お前を放して一緒に戦えばよかった、って言う。
それがどうにも切ない。うまく言えないけど。
自分の一部でさえ信用できない老人が、魚は一緒に戦ってくれると思ってるんですよ。
必死で戦って勝った、その相手を信頼してるんです。
それがまた痛ましい。
心がぼろぼろになる。食いちぎられる魚みたいに。
少年はそれが解ったから泣いたんだろうなぁ。

ところで最初、これはマタドールの話みたいなのじゃあるまいなと思って読んだのだけど、
サンチャゴは欧州でしょうか、それともアメリカでしょうか。
現代で読むなら、丸腰になって横たわる彼がアメリカにも見えます。
でも知識も経験もある寂しがりな老人はとてもアメリカには見えない。
でもなにもかも失した老人欧州が少年アメリカと一緒に海に出るなんて未来があるはずない。
そもそも老人が夢を見る終わり方が彼の死を予期しててとても未来なんかない。

今気づいたけどタイトルは老人と「海」なのね。魚じゃなく。
海を女性名詞で呼ぶところから内容を絡み合わせると大層女性につらくあたる含意が見えますね。
Hemingwayだし。
白鯨(上)//Herman Melville, 高村勝治 訳/旺文社文庫567-1
米文学史に君臨する名作、メルヴィルの自伝的小説。
古典小説にしてはとても読みやすいなあ、というのが印象です。
1851年の作品ということでかなり構えて読み始めたけど想像より楽だった。
フランスモダニズム文学とかロシア近代文学、イギリス近代文学なんかより断然。
innocenceと呼ばれる事実を見るなぁ。
あと訳が上手い。とても。気になったのはプリンぐらい。
原文でpuddingとなってるならデザートあるいはご褒美と訳す方が自然なのでは。
文章は比喩に躍動感が溢れてる。描写が細かくて、イメージが立体的に浮かび上がる。
がつがつと読めます。白鯨の作るうねりに引きずり込まれる。臨場感がある。
ただ海のような知識量が襲いかかってくるので、キリスト教の知識はあったほうがいい。
でないと読んでてきっと面白くない(かなり細かい注釈がついてますが)。
あとは船の話なんで平気でゲイっぽい。
文学的に読まない限りでは楽しく読めるんじゃないでしょうか。
D.H.Lawrenceの解釈なんて知らんぷりでいいよ。
Foster/McCannでcollaborateしたシャンティがありますよと。
タイトルはSafe on Shoreですよ、と。
これは「歌詞を2人で書いた」って意味かしらね。
collaborateって単語は好きです。laborって単語が入ってますよね。
苦労して産み出す、って意味です。労働とはそういうものです。
(辞書では後ろの方に「出産」って意味もあります。そういうものです。)
今年、OKPでMurrayとKrisは曲書かないの、って言われてたけど、
Murrayファンには朗報ですねその意味で。
Murrayファンが朗報と取っているかどうかはまた別の話だけど。
ところで冒頭の表記はなんぞ。Seanはわざとこう書いてるの?

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shantyって、仏語のchantに語尾yを付けたものだと思ってたのだけど、
諸説あるんですね語源に。
参照
18世紀だったら仏語が世界語だった時代なので、
英国でchantが「シャント」と読まれていてもなんら問題はないと思う。
海男は労働者階級なのでまあchantをシャントと読んだかは別として。
でも士官階級はなにしろ上流階級の息子たちなので問題ないんじゃ。
それ以前に日本と違ってあっちは識字率がこの時代大層に悪いので、
(ていうか江戸時代の日本の識字率の高さが世界的に異常なんです、)
文字で読むというよりは耳で聞いて覚える、という方が近いのでは。
そうするとフランスの船で「シャンティ」と呼ばれていたものを取り入れ、
英語風の文字を当てたらshanty、語源から文字を当てたらchanty。
そんな理由でこの単語に二つ綴りが存在するのだと考えるのが楽なんじゃなかろうか。

ところで。上記リンクにて「シャンティマン」の項。
これだからSeanがShantymanって呼ばれてるんだってよくわかった。
間違いなく彼はShantymanだわ。
2月23日発売のSeanのソロアルバム。
9曲収録。
公式:http://www.greatbigsean.com/
ジャケットのお目見えと視聴があります。
続きに視聴の感想なんかを

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それで新アルバムは春ではなくて秋のリリースが有力説。
2007年の秋に録ったFFが2008年6月末に出たわけだから、
その説は確かに正しいかもしれないとか思うわけで。
Seanのtwitterでも追いかけながら楽しく待ちたいと思う。
あとはToshの日記とかね。
Bobも2カ月止まってる日記の更新再開してくれたらいいのに。
ワンピファンでよかった!

映画すごかった! 文学的に、ドラマとしても、素晴らしかった!
ストーリーが充分に楽しめる構成で、もうあれですよ、
わくわくが止まらない感じです。
漫画と一緒でかっこいいんだ。最初から最後まで。
ファミリー。
これに尽きる。
画像は完売直前で買ったパンフレット。



//夏目漱石/岩波文庫緑11-1

国民的作家を成人して初めて通しで読むとか……。
読まず嫌い作家が多すぎて、申し訳ないなぁと思ってます。
国語の教科書に、先生とKの話が出ていて、あれを読んだわたしはなにを思ったか忘れましたが、
一冊通して読んで、個人的には先生に、すごく、分かるなぁと感じる部分がある。
先生が淋しい理由なんかは、はっきりとわたしにもわかる。
面白かった。読みにくいなんてちっとも思わなかった。
私と奥さんが話をするシーンが好きです。留守番の夜。
あとなんとなく、Wildeの『ドリアン・グレイの肖像』を思い起こした。

漱石は英国に留学経験を持つせいからかしら、
先生とKの話、全部の章がかっこから始まるんですね。それで閉じかっこで終わらないの。
英語だと会話内の改行は閉じかっこつけずに、改行したさきで始まりかっこだけつけるので、
これがなかなか、にやっとする効果を与えてくれてる、と思うのです。
なにより新聞に掲載されてたとかで、字数制限のなかこんなふうに書くなんて、すごい。
// 島崎藤村/岩波文庫緑23-1

吉田健一先生曰わく、詩が理解できない理由は以下二つのどちらかの理由かららしい。
1、それが詩ではないから
2、それを理解できる感受性を読み手が持たないから
わたしは明らかに後者ですが、後者なりに詩の楽しみ方はあります。
ただ音読する。
日本現代詩(萩原朔太郎とか)もそうやって読んだ気がする。
そうすると言葉の選び方が実に妙だなぁと感心します。
そこに留まるわけだけど(なにしろ理解する感受性がないので)。

それで、この詩抄は、音読にたいそう適しています。
完全なる七五調。最終聯でわざと字余りしてすとんと落としたりする。
ひとつ八六調の詩があったけどそれ以外は整然と七五調。
古典の知識を求められるとしても、口語自由詩よりは文語定型詩が好きだな。
なんと易きに流るることか。
とにかく、お気に入りは「二つの声」「春」「母を葬るのうた」、「白磁花瓶賦」
特に最後詩の、
さまよひやすき
たびびとよ
なあやまりそ
ゆくみちを
この部分を啓発として生きていきたい。
後悔したらそれが「あやまり」だってことだと思う。
「椰子の実」ってこの人のだったんですねぇ。
Vancouver Olympic公式
Victory Ceremoniesなるものでライブをするそうです。

GBS及びOlympic公式によれば以下の通り。
・12日間、それぞれの州(及び準州)代表のmusicianでステージを作る
(各州がホストとなって授賞式にする)
・スピードスケート・スキー・スノーボードのメダル受賞式にて
・14日のBCに始まり26日のNFDLで閉める
・2月26日(金) 18:30-21:00(現地時間)
・medal presentations : men's freestyle skiing aerials and ladies' snowboarding parallel giant slalom


誤読注意。
VO公式のサーチボックスにてVictory Ceremoniesで検索されたし。

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しんぞうつぶれるかとおもった。
GBS公式の発表を、何度も何度も読んでようやく理解できた。
あー…………。
日本は男子エアリアル、女子パラレル大回転、どちらもメダルは期待できそうにないので、
まあ変な期待は特にしてません。
ちなみに。日本公式のサイトはつまらないので行かないことをお勧めする。
// 有島武郎/岩波文庫緑36-7

昔、道徳の教科書で読んだ記憶がある気がする、「一房の葡萄」。
童話集ということで、5篇の短いお話から成る一冊。
著者はWildeの「幸福の王子」を翻案したということで、
Wildeの童話に見られるような傾向が見られます。
耽美的というか。白樺派だそうで。そのせいかしら。
ひかりがある。前を向いていいよって言ってくれる。
ハイソな環境がそれを許してるんでしょうね。
少年の瑞々しい感性が、葡萄みたいに美しい。
個人的に小川未明の救いのなさよりは有島さんの希望の見せ方が好きです。
小川さんの「野ばら」の切ないことといったらないし、
なにしろわたしは未だに彼のどんぐりとセーターの話が理解できない。



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自己紹介:
歴史(独愛蘇)と旅行が好き。
好きな作家
:いしいしんじ、江國香織、梨木香歩、藤沢周平、福井晴敏、
Christian Gailly、Ray Bradbury、Edgar Allan Poe、Oscar Wilde
好きな画家
:William Turner、Jacob van Ruisdeal、いせひでこ、いわさきちひろ
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