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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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『熊』//William Faulkner, 加島祥造 訳//岩波文庫323-3

表題作ほか「むかしの人々」「熊狩」「朝の追跡」を収録。
ユーモラスな「熊狩」、「熊」を新たな形で書き起こすような「朝の追跡」。
申し訳ないけれど「むかしの人々」は少し読みづらかったなぁ。
しかしなんと言っても「熊」ですよ。
重厚感のある構成で自然に分け入り同化を試みる少年と、森を蝕み人を狂わす時代。
機械・文明社会は一貫してイニシエーションでは嫌われものですね。米文学の。
そしていつも手始めに死がある気がします。
死を知ることで生きていると知り、そこから生き始めるというのは本当かしら。
人間として生き始めることは一体いつから始まるのかしら。

こういうイニシエーション小説については
米国人でもなければ男の子だったこともないのでいささか同調しかねる部分が大きいのですが、
ひとつのものを必死になって追いかける形と
なにかまだ見えないものを捕まえようとひた走る形とに分かれていて、
そのどちらもが脈々と受け継がれる文学形態なのかなぁと思います。
前者は『白鯨』『熊』『老人と海』
後者は『海底2万海里』『ハック・フィン』『ライ麦』
バランスよく分かれているとはとても言い難いけれども。
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