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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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『ハックルベリー・フィンの冒険』//Mark Twain, 西田実 訳//岩波文庫赤 311-6


ハック・フィン、実に実に面白かった!
一人称で叙述が行われるというのは当時としては珍しいもので、
それもがつがつと訛るので気のいい兄ちゃんの話を聞いているみたい。
愉快な冒険譚であり、社会的小説であり、人間の話で勇気と良心の話。
ただしこの話から教訓を引き出そうなどということはできないようなので
外観的な話に留めましょうか、それもつまらない? かな?

出だしの一文、「文句なく面白かった」と書こうと思ったのだけれど書き直しました。
文句、あります。Hemingwayと同じ文句。
最後の4分の1、要らない。
ハックの決断に震えるほど感動して(あの迷い方がまたいい!)涙ぐんで
ジムのために人生と対決するハックを見ていたはずなのに、
トムの出現でジムの人生はおもちゃになる。
真剣な話なのになぜごっこ遊びなんかして遊んでるんだこの坊っちゃんめ、という感じです。
おかげでハックは社会化されることができない。通過儀礼に失敗する。
この場合もしくはそれがハッピーエンドなのかもしれません。
つまりハックという子どもにとって。
トム・ソーヤーを読んでいないのでここでトムとの対比ができないのだけれど
身寄りがないに等しいハックにとってこの筏がhomeで
ジムにとってハックが「唯一の味方」であるなら
陸に二人で上がったということはhomeから出てしまった、
社会に投げ出されてしまった、ということでしょうか。
そして陸での二人はhomeもなく身分も居場所もない。
だいたいハックは陸において名前がない。誰でもない。
社会から逸脱した人間はその場に自分として存在できない。

あれですね、きっと。
ハックの気持ちになって読んでいるから、社会化されたトムを許せないんですきっと。
でも筏にいる間の話は本当に絶品です。
心理描写が素朴だけれどくっきり描かれている。魅力的。
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