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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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英国王のスピーチ//2010年 英


アカデミー作品賞受賞おめでとうございます!
感動的な、終わるのが勿体無い、と思わせるような内容でした。
ストーリーには見覚えがある。「4分間のピアニスト」と同じですね。
師弟2人で掴む成功。そこに存在する断絶と、確かに存在する繋がり。
どちらも、師が決して弟子を諦めない、その才能を信じ続けるというテーマでした。
いやもうほんと、もう少し続いて欲しかった。
足りない、足りない、もっと欲しい。もっと観たかった。

ジョージ5世の逝去に際して兄王が泣き出しますよね。
それを追いかけて、「今の醜態はどういうことだ」と問いただすヨーク公。
王族は感情を出すことを禁じられているのです。
しかも泣き出すとはね。笑うことも制限されてるのに泣き出すとはね。
で、自分と結婚できないシンプソン夫人を「可哀想に」思って泣いているという兄王。
対照的なのがジョージ6世が王位に就くときにエリザベス妃に泣き出すシーン。
(これ実際は母君に泣きついたのではなかったかしら?)
自分がどうして王なのだ、と泣くの。なりたくなくて。
やれる自信がない、言葉を届けることもできない、信頼を得ることもできないだろう王。
その自分の将来の暗さに対して泣けて、運命を厭う。
国王という重責を持つことにはなんの悲しみも持っていない。
それがとても素敵だと思う。

あとね、最後の、スピーチのシーン。
あれが素晴らしい。部屋の中で必死に言葉を紡いでいく姿。
それを引き出して、流れに乗せてあげるライオネル。
繋げて広げて、前へ前へ、英国の未来を乗せて。
そしてそれを、耳を傾けて、聴く、国民。
痛ましそうに目を背ける人はいない。
王の言葉を受け取る、その目の真剣さ。
国を動かす人はこうでなきゃ。
話すということは、そういうこと。
we shall prevail、と言う。まさに、彼が彼自身に打ち勝ったように。
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