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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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//いしいしんじ//新潮文庫い76-8


いしいしんじは安定作家のひとりです。
『みずうみ』は個人的にハズレでしたが心配しなくて済む作家認定しています。
今回もね、ほらね、大当たりだよ。

それにしても買ってから長いこと放置していた本です。
なぜか。ただ単に指が伸ばせなかっただけ。
『麦ふみクーツェ』や『プラネタリウムのふたご』同様に、きっと根気が要ると思った。
読み終わるのにね。
実際要った。そりゃもう要った。第一部が現状に被ってまず号泣した。
(飛行機で読んでました。隣いなくて良かった。)
この時点で嫌な予感がした。
なにしろいしいしんじの水のは廻るので。
『プラネタリウム』といい『みずうみ』といい、彼の中で水は明らかに永遠を象徴する。
それも生まれ変わる永遠ね。輪廻。決して終わらない、受け継がれる永遠。
少しずつずれながら連綿と続く繋がりは切れることを許さない痛みを伴う。
まるでそれが罰みたいに。

読みながらおや、と思ったのは、『ハックルベリー・フィン』を読んでいる気にさせられたこと。
多分ここは狙っていると思うのです。
 ポー=ハック
 天気売り=ジム
この対比のまま読んでいける。
それから随所に『はてしない物語』を読んでいる気にもさせられた。
しかしいずれにしても主人公の成長物である、
それも米文学の流れを受けた、「他者の助けを借りてイニシエーションする」という形式。
ここでイニシエーションは成功しているか?
しています。
米文学からシフトするのはコンクリートに閉じ込められてしまったとき。
あの暗い細道は明らかに胎内。
そして大うなぎのエピソードは、それを逃げずに行った証明です。
そのため白く輝く「なにでもないもの」にポーは変わってしまう。

この話、「父親的存在」がないのですよね。
母親は多く存在する。それはもうたくさん。数の上でもたくさん。
こぶのある美しい娘(うみうし娘)たちはくらげ(水母)ではないか。
母であり同時に娘であるそれが女性という存在。
一方で父親であり息子であるというのは無理があると思う。
父親は「超えるもの」なので、息子でいるには決して超えられない。
そしてその壁をポーは持たない。なので自分で探しに行くしかない。

読み足りないのがもったいない。もったなにか発見できるはず。
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HN:あず/relieur
HP:SailingDay
性別:女性
自己紹介:
歴史(独愛蘇)と旅行が好き。
好きな作家
:いしいしんじ、江國香織、梨木香歩、藤沢周平、福井晴敏、
Christian Gailly、Ray Bradbury、Edgar Allan Poe、Oscar Wilde
好きな画家
:William Turner、Jacob van Ruisdeal、いせひでこ、いわさきちひろ
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