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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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『解放された世界』//H. G. Wells、浜野輝 訳/岩波文庫赤276-6

世界を動かすはずだった小説。
一次大戦前夜(1914)に書かれた、世界平和の作り方。
原子爆弾が完成、大々的な戦争の開始。
世界が破滅に向かう恐怖から地球の共和国化が提案される、という筋。
ちょっと楽観的というか表面的過ぎるきらいがあるなぁ、というのは、
散々いじられてできた現在の世界からの結論なので偏っている。
難しいこと全部抜きにしたら、なるほどスマートな解決案だと思いました。
主に宗教問題が邪魔をして実現しないだろうと思いますが、望むことはできるのでは。
UNが名前を変えて、本気でこれを発案するのも手だと思います、わたしは。

瑣末なことですが、面白かったので以下引用。
本文中において、世界統一政府に反対した日本人の末路。
「かれらは国民の誇りを買い被っていたため、日本国民からすぐにしっぺ返しを受けた。」
1914年の文章ですよ。大戦前。それにしてこの洞察力。
一部熱狂的な愛国主義者が反対すること、けれど大多数がそれを押し退けることを予想する。
攘夷運動なんかの結果を受けてでしょうか、歴史は繰り返されると示しておられる。
わかっているのに繰り返される歴史からは逃げられないのですね。

それから最後。フリー・ラブの肯定者らしい見解に息をのみます。
これが現在ある「当たり前」。この考え方が。
彼の残した世界は変われるか。
あるいは解放されるか。
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