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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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盗まれた手紙//E.A.Poe、 富士川義之 訳/国書刊行会

「バベルの図書館」というシリーズ。長細い本です。お洒落。
表題作他「ビンの中の手記」「ヴァルドマル氏の病症の真相」「群衆の人」「落し穴と振り子」を収録。
「手記」は「メイルシュトロームの旋回」と似た構造。段取りから書き方から。
しかし圧巻は「落し穴」。もう、いかにもPoe、という感じ。
振り子が迫るその緊迫感、息もつけない一瞬ごと、永遠に続く恐怖。
息を詰めてまるでその光景を見る、あるいは体験する。頭の中で組み立てる。違う、本当に見える。
あの鋼の容赦ない冷たさ、鋭さ、匂い、それさえわかる。
そしてラスト。ここが素晴らしい。ゴヤの某絵画を連想しました。
「アモンティラードの酒樽」系の恐怖かなぁ、と思う。
緻密な静寂、積み重なる最終予告、慈悲のない手段。
なにしろこの描写力! とくとご覧じん。
ぜひ原書で読みたい逸品でした。
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