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Great Big Seaに関する雑談、その他音楽、あるいはただの読書日記

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//Ray Bradbury/Harper

友人に「今週中に読み終わる!」と豪語した本。昨日なんとか読了とあいなりました。
『たんぽぽのお酒』の続編。『さよなら、僕の夏』が邦題だったかと。晶文社。
『たんぽぽ』と違って、完全に焦点を絞った作品になっています。わたしはこっちが好き。

一冊を通して、老人と少年という不器用なバランスを丁寧に掬い取って緻密に描く。
加齢と退屈への無謀な戦いが、生きるということを少年に(そして老人に)教える。
この、流れる静謐がたまらなく愛しい。
ブリーク氏がクォーターメイン氏に諭すところで陥落した。
第三部の2話はどちらも圧巻。
全体は南北戦争仕立てで、わくわくもあり、きゃっきゃするところもあり。
リザベルの話は謎なんだけれど、あれは読んでいてにやにやした。
どちらもわかる。ダグの行動もリザベルの行動も。まったくかわいいんだから。

対比でぜひ読みたいのが石井睦美さんの『レモン・ドロップス』。
彼女の透明感溢れる文体がまたたまらなくわたしは好きなのですが、
この本は明らかにFarewell Summerを意識している。
石井さんは間違いなく読書が好きで、著書のなかで登場人物が本を読むのです。
心憎いですね、わたしはBradburyの存在を彼女に教えてもらいました。
紹介されていたのは『10月はたそがれの国』で、それは近々読みます。やっと。

いちばんいいのは、2冊とも、10代で読めたらいい。
すごく「わかる」のです。10代半ばなら。
核心を突く。身に迫る。裏切らない。最後まで主人公は読み手自身。そういう本。
枯渇する前なら。
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性別:女性
自己紹介:
歴史(独愛蘇)と旅行が好き。
好きな作家
:いしいしんじ、江國香織、梨木香歩、藤沢周平、福井晴敏、
Christian Gailly、Ray Bradbury、Edgar Allan Poe、Oscar Wilde
好きな画家
:William Turner、Jacob van Ruisdeal、いせひでこ、いわさきちひろ
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